WordPressマルチサイトをSSL化する方法について

記事の内容について

今回の記事ではレンタルサーバーでマルチサイトを使ってWordPressを運用している方に、Webサイト全体を常時SSL化(https化)をする方法をお伝えしていきます。

通常のWordPressサイトであればレンタルサーバー内で機能が用意されていたり、プラグイン利用・WordPressのURL設定変更等を行うことでSSL化に対応することができますが、マルチサイトの場合は設定からURLの変更が出来ないため、データベースから直接変更を行います。

参考にしているサーバー管理のコントロールパネルは「cPanel」を利用したものになりますが、他のコントロールパネルでも同じ方法で対応することができます。マルチサイトの常時SSL化(https化)で悩んでいる人は参考にしてみてください。

WordPressマルチサイトをSSL化する手順について

変更のための作業としてはデータベースにログインして「phpmyadmin」で該当する箇所のURLを変更するだけです。ただし元のURLから変更になることを踏まえ、評価を正しく引き継ぐためにもリダイレクトを含めた変更作業等もあわせて行うのがおすすめです。

複数のサイトを運用していると、データベースも複数あるため、まずは該当するデータベースの名前を確認するところから始めましょう。

作業手順

  1. データベース名・ユーザー名・パスワードの確認
  2. 「phpmyadmin」でURLを変更
  3. WordPress の管理画面でURLの確認
  4. リダイレクトの設定
  5. 内部リンクの変更

データベース名・ユーザー名・パスワードの確認

まずは変更するデータベースの名前とログインするためのユーザー名、パスワードをそれぞれ確認します。ドメイン別に複数のサイトを運用している場合は、それぞれにデータベースの名称が違いますので、変更するサイトのデータベース名を確認します。

SOFTACULOUS APPS INSTALLERの中のWordPressをクリックし、該当のサイトの詳細の編集から確認できます。次の作業でデータベースにログインする際に求められるユーザー名とパスワードもここで確認が可能です。

他のサーバーで運用されている方で管理画面から確認ができない方は、「wp-config.php」ファイルに記載されていますので、FTP等から確認しましょう。

「phpmyadmin」でURLを変更

「phpmyadmin」にログインできたら、左側のフォルダ名から確認しておいたデータベース名を選択し、「wp_options」をクリックします。

フォルダが展開された中の項目「option_name」の列に「siteurl」と「home」のファイルがありますので、編集からそれぞれの値に入っているURLをhttpからhttpsに変更して「実行」を押せば完了です。

WordPress の管理画面でURLの確認

WordPress の管理画面にログインし、サイトネットワーク管理の「サイト」から「すべてのサイト」をクリックしてマルチサイトに設置されているサイトを表示します。

変更をかけたサイトの「編集」から「サイトアドレス (URL)」に表示されたURLが更新されていることを確認します。

リダイレクトの設定

検索エンジンは「http」と「https」の2種類のURLがあると、それぞれを別サイトと認識するため、どちらにもアクセスできる状態だと評価が分散してしまいます。こういった評価の分散を防ぐため、正しいリダイレクトを行う必要があります。

リダイレクトには301(Permanent Redirect「恒久的な転送」)と302(Temporary Redirect「一時的な転送」)がありますが、SSL化は恒久的な対応になりますので、301リダイレクトを使用します。

リダイレクトの手順ですが、以下のように「.htaccess」ファイルに記述することで、サイト内の全てのページが「https」から始まるURLにリダイレクトされることになります。

コード
RewriteEngine on
RewriteCond %{HTTPS} off
RewriteRule ^(.*)$ https://%{HTTP_HOST}%{REQUEST_URI} [R=301,L]

内部リンクの変更

URLが変更となるため、サイト内の絶対パスで設置していた内部リンクも変更をかけるようにしましょう。元から設置していたリンクでもリダイレクトされるため、大きな影響はありませんが、巨大サイトである場合は多少なりともリダイレクト処理でサーバーに負荷がかかるため、読み込み速度低下を防ぐといった理由でも変更をかけるようにしましょう。

まとめ

Googleが常時SSL化(https化)の非対応サイトに警告を表示するようになり、対応はほぼ必須となりましたが、マルチサイトでの対応方法は説明されているサイトが少なかったので、今回はWordPressでマルチサイトを使っている方に、常時SSL化(https化)をする手順と、その後に必要な作業をお伝えいたしました。

一つ一つの作業はそれほど難しいものではないので、確実に対応する事で、セキュリティの向上を図り、ユーザーにとって安心して利用できるサイトを作っていきましょう。